2019年3月号

『人を応援すること②

 

前回の通信は、昨年エベレストで命を落とした栗城史多氏の話から人を応援することが人を追い込むことにつながる可能性もあるという内容でした。

なぜそうしたことが起こるのか?栗城氏の場合、ネットで応援する人からこんな声が多くありました。

「挑戦を続けるあなたの姿に勇気をもらっている」 「どんな困難に出会っても夢をあきらめないでください」と言った感じのものです。

もし、お読みいただいている皆さんがこの言葉を受け止める側であったとしたら、どのように感じますか?確かに、誰かの役に立てて嬉しいとか励まされてもっと頑張ろう!という気持ちになると同時に、挑戦をし続ける自分、困難にもあきらめない自分だから存在意義があって、そうでなくなったとしたら自分に価値なんてないのではと思ってしまう人もいるかもしれません。栗城氏の場合も何度もエベレスト登頂に失敗したにも関わらず応援してくれる人がいる、その期待にこたえるために挑戦し続ける自分でいなければならない、夢をあきらめたら自分の生きている意味がなくなってしまう、そんな思いに苦しんでいたのではないかと思えるのです。

 人生思い通りにいかないことがほとんどです。ダメな自分、失敗続きの自分、夢を途中できあきらめてしまった自分、それでも自分には価値があると思えるようになるために必要なことを紹介します。

『自己承認』できていることです。自己承認とは、自分の存在そのものに価値があることを自分自身で認識できていることです。自己承認の満たされ具合をコップにみたてたとします。どうすればそのコップは満たされていくのか。身近な存在が大きく影響します。どんなに物事をうまくすすめられていなくとも、身近な存在が自分を認めてくれる、そうした経験が自己承認のコップを満たしていきます。

 子どもたちであれば、テストで良い点を取れていなくとも、すぐに物事をあきらめてしまったとしても、友達と喧嘩をしてしまったとしても……、それでも身近にいる人から「あなたの存在そのものにちゃんと意味があるんだよ」そう伝えられていれば承認のコップは満たされていきます。自分自身を承認できていれば、生きていくことをあきらめてしまうようなことにはなりません。コップに注いであげられる人は、日頃、良い時も悪い時も近くで様子を見ている人になります。初めてや数回しか会ったことの無い人から「あなたの存在は」なんて言われても人は言葉の重みを実感できません。

身近な大人が子どもの存在そのものを承認してあげる、しかもきちんと言葉で。こうしたことの大切さを強く感じています。

                                            奥松

 

栗城氏の自己承認が満たされていたかどうかは僕には判断できません。ただ挑戦することそのものに追い込まれていたのではないかとは思っています。彼からは講演や書籍などから多くのことを学ばせていただきました。ご冥福を心よりご冥福をお祈りいたします。


 

 


  ☆ずっと大切にしたい友達☆

 子どもの頃から知っている友達の甥っ子が公立高校に合格したという知らせを聞いて、当時の自分のことを懐かしく思い出していました。私は社会が苦手だったため公立高校へ進むことは叶いませんでしたが、密かに自分の中での第一希望であった私立の高校に入学することが実現し色んな意味で思い出深い高校生活を送ることができました。

 

そんなことを考えていたら、思いがけず高校時代の仲間たちとみんなで集まろうという連絡が来たので楽しみがひとつ増えました。卒業してからは各々に違う道へと進み、連絡が取れなくなってしまった時期もあったのですがSNSという便利なツールのおかげで最近になって再び連絡を取り合うことができるようになったのです。仕事の関係などで関東を離れてしまった人もいますがSNSがあることによって連絡をとることができ距離感がグッと縮まったような気がしています。

 

4月は新入学や新学期など新しいことがたくさん始まる季節で、それは様々な出会いのチャンスでもあります。子どものうちはまだあまり意識することがないかもしれませんが、もしかしたらその中にこれから長い付き合いになっていくような一生の友達がいるかもしれません。

 

私にも小学生だった時代があったわけですが、その頃に友人関係で悩んでいた私を勇気づけてくれたのはクラブ活動で二人になった時の同級生の一言でした。また、とても楽しかった高校生活でも三年間のうちには色々と思い悩んだり傷ついたりする出来事もありました。その時の私を支えてくれたのもやはり友達だったのです。忘れもしないこれらの難局を乗り越えてこられたのはその二人の友達のお陰だと言っても過言ではありません。どちらの場合も友達の有難みを心底感じた瞬間となりました。

 

大きくなってからも友達を作ることはできると思いますが、気心知れた子ども時代からの友達というのはまた格別です。みんなにもそんな出会いが訪れますように、心から祈っています(^^) 新生活を楽しんで!!

インストラクター 清水倫子 


☆今月の作品紹介☆

“ひな祭り特集”

まなびの広場 HPへ↑(クリック)