2018年3月号

『遺伝子スイッチON!

 

人の遺伝子がいくつあるかご存知ですか?約20,000個だそうです。では、実験で使われるマウスの遺伝子は?トウモロコシは?→マウスは約22,000個で、トウモロコシはなんと約45,000個。人とマウスやトウモロコシを比べて、生命体として優秀なのは?よっぽど穿った見方をしなければ、“人”ということになりますよね。でも、遺伝子の数では負けている。ある説によれば、生命体の優劣は遺伝子の数ではなく、遺伝子をどれだけ“ON”状態にできるかで決まるようです。そして、人の中でも優秀な人、才能溢れる人、そうでない人の違いは、同じようにどれだけONに出来るかによるとのこと。

 

 

筑波大学名誉教授村上和雄氏は、眠れる良い遺伝子を呼び起こせるタイプの人物に共通する条件を紹介しています。

 

◯条件その1→「物事に熱中できること」

 

何かに取り組んだら脇目もふらずに熱中する。周りがどうあれお構いなしで、自分のしている

 

ことしか考えない。

 

◯条件その2→「持続性があること」

 

いくら熱中しても、続けること無しではなかなか成就までたどり着くことは出来ません。達成できるまでどんなに時間がかかろうとも寝ても覚めてもそのことを思い続ける持続性があること。

 

◯条件その3→「常識に縛られない自由闊達(かったつ)さを持つこと」

 

何ものにも規制されない自由な発想を持ち続けること。人は大人になるに連れ多くの知識を身につけますが、それらの多くは常識と呼ばれる範囲におさまるものです。“常識では遺伝子は目覚めない!”だそうです。

 

 

 

これからの世の中、時が進めば進むほど上記の3つの条件を持つ人材が必要とされることでしょう。ITAIの進化発達が、ルーティンの仕事や事務作業の必要性を人間から奪っていきます。必要とされるのは、今までとちょっと違った力もしくはまったく新しいものをうみ出す力です。

 

大事なことが一つあります。これから先の時代に必要とされる人材を育てる障壁となるのが、身近な大人の存在であることです。ある研究によれば、小学校の先生にお気に入りの児童と気に入らない児童をあげ、その要因をリストアップしてもらったところ、気に入らないと評価された児童は、周りに同調せずに自分独自のルールを作る子たちでした。つまり人と違う感性を持つ児童を問題児として扱う傾向があったのです。

 

う~む、非常に耳の痛い話しです(_;)。気づけばずいぶんと長い期間、たくさんの子どもたちと接しさせていただいております。思い返せば、自分も同じような価値観で子どもたちを評価していたことに気づきます。

 

いわゆる大人にとっての“いい子”。素直で、挨拶がきちんと出来て、大人の言うことをよく聞いて、友だちと仲良く出来て……、もちろんこうしたことがきちんと出来ることは素晴らしいことです。でも大人の目がそちらにばかり向きすぎると彼らの創造性をつぶしかねない、このことを忘れてはいけないですね。

 

保護者の皆様も我々指導にあたらせていただいている者も子どもたちの成長を願っている、このことは変わらないのですから、変に自分自身の考えに固執するべきでない、最近よく思うことです。

                                              奥松 


  ☆たくましい人間に必要な力

  

先日読んだ本の中に、「強さにはハーディネス(頑健性と強靱性)という概念がある」という一節がありました。手前味噌かもしれませんが、レッスンの情景が次々に浮かんできてレゴにぴったり!と思って嬉しくなってしまったので紹介したいと思います。

 

ハーディネスというものは3つの要素から成り立っています。

 

第一の要素は、何かに打ち込むことができれば充実した時間を過ごすことができ、困難な状況に陥ったとしてもそれを解決するための策を生み出す集中力を身に付けることができるという、心理学でいうところの「コミットメント」というもの。

 

第二の要素は「コントロール」で、大抵のことは何とかなると思えるようなおおらかさがあれば、いかなる状況であっても自分の力で乗り越えて行けるという感覚を持つことができると書かれていました。

 

最後に第三の要素となるのは危機的な状況であったとしてもそれを脅威とは受け止めず、自分にとって意味の有るものとして捉え直す「チャレンジ」という考え方で、そのように意識を変えて自分を変えていくことができれば問題をはねのけることができると紹介されていました。チャレンジはスキルとのバランスが大切になってくると言いますから、子どもたちのタイミングを見極めながら必要な手助けができるようになりたいと改めて感じました。

 

この3つのどれをとっても、レッスンをしている時の様子が浮かんできてしまうのです。真剣な眼差しで集中している姿や問題点を見つけては解決策に頭を悩ませている姿、さらには思惑通りにいかなかった時でも気持ちを切り替えて頑張っている姿など・・・・・・。切り替えといえばこの前のレッスンで実際の色味にこだわって

 

いた小学生の女の子がいたのですが、ブロックの数には限りがある為それ以上の継続が難し

 

くなってきたんです。そこでその子は妥協しつつも自分の中でルールを決めて、使用する

 

ブロックの範囲を広げることにしていました。「何でもいいや」とこだわりをすべて取り去る

 

のではなく妥協案を見つけていた姿に、その子の成長を感じることができたのです。

 

教室に通ってくれる子は皆、何かを学ぶために来ているという感覚を持ってはいないかも

 

しれません。それでも教室での経験がいつの日かみんなを窮地から救う糧となってくれることを期待したいと思います。

 

 

インストラクター 清水倫子                                 


モンスターボール・ ひな壇その1 ・ 巨大壁画 ・ おでんが入っているボックス ・ひな壇その2


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