2022年5月号

☆グループ教室 学習塾“稲進会”の内容も含まれます。

『安心してチャレンジできるために

 前回、プロ野球選手になることの難しさを紹介しましたが、実際プロ野球選手になれたとしても現役選手でいられる期間は8年ほど平均28歳でチームを離れることになります。一軍で活躍し引退後は監督やコーチ、解説者になれるのはほんの一握り、ほとんどが新たな道で人生の第2ステージを歩むことになります。

 

プロ野球の楽しみ方も昔とはだいぶ変わりました。小さな頃から巨人ファン、とは言っても千葉での生活が人生の大半をしめ“千葉ロッテマリーンズ”でいいんじゃないとも思うのですが、こうしたことこそ“三つ子の魂百まで”なのか結局勝敗が気になるのは巨人になってしまいます。インターネットが普及する前、巨人の選手を見られるのもテレビの中あるいは球場に足を運ぶことでしかできませんでした。今はいろんな巨人の選手をパソコンの画面でみることができます。二軍や三軍の練習風景までも見られ、そこで見ていた選手が一軍に上がり活躍したりするとちょっとした親心感覚で“よかったね”と思ってしまったりもします。

パソコンの画面を見ていると“あれ!?”となることもあります。以前ユニフォーム姿で練習に取り組んでいた選手がスーツ姿に、あるいはカメラを片手に練習風景を撮影したりしています。球団の職員として働いているんです。球団職員の幹部が以前話していたのが、選手引退後球団職員にならないかと声をかける人は、選手時代に野球に取り組む姿勢を見て決めているとのこと。結果が全ての世界で、努力がなかなか結果に結びつかずともくさることなく練習に取り組むこと、プロの世界は一人ひとりが個人事業主ですので自分第一が当たり前の中他の選手への心配りが出来ること、選手として活躍が出来ていない中でもチームへの貢献を追求すること、球団職員へのオファーはそうした姿勢を持つ選手にするそうです。

 

何をするにしても、当事者本人が一番結果を気にするものだと思います。たとえ本人が「結果なんてどうでもいい」と言っていたとしてもそして表面に出さなくとも心の奥では良い結果には喜び、悪い結果には悔しさを感じているものです。周囲にいる人間がするべきことは、ちゃんとその過程を見てあげること。結果が出るまでの頑張りや努力する姿を見てあげること、見つけてあげること、そして伝えることです。

 

高見を目指せば目指すほど結果を出すことは難しくなります。何かに挑戦しようとする人が、周りの人が途中の姿を見ていてくれて認めてくれる、心の中でそんなふうに思えたならば安心していろんなことにチャレンジできるようになるんだと思います。  (奥松)



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