2019年5月号
『本当の学問とは!?』
「なぜ学ぶの?」「なぜ勉強しなくてはいけないの?」
この問いに対する答えを持っているようで持っていないという人がほとんどなのではないでしょうか。
答えの道筋を照らしてくれる言葉に出会いました。言葉を発したひとは『吉田松陰』。現在でも多くの人の生き方や考え方に影響を残す吉田松陰。残した言葉も“さすがは吉田松陰”といったものです。
安政元年三月二十八日、吉田松陰が牢番に呼びかけた。
その前夜、松陰は金子重輔と共に伊豆下田に停泊していたアメリカの軍艦に乗り付け、海外密航を企てた。しかし、よく知られるように失敗して、牢に入れられたのである。
「一つお願いがある。それは他でもないが、実は昨日、行李が流されてしまった。それで手元に読み物がない。恐れ入るが、何かお手元の書物を貸してもらえないだろうか」(※行李(こうり)…衣料などを入れておく箱)
牢番はびっくりした。
「あなた方は大それた密航をたくらみ、こうして捕まっているのだ。何も檻の中で勉強しなくてもいいではないか。どっちみち重いおしおきになるのだから」
すると松陰は、
「ごもっともです。それは覚悟しているけれども、自分がおしおきになるまでにはまだ時間が多少あるであろう。それまではやはり一日の仕事をしなければならない。
人間というものは、一日この世に生きておれば、一日の食物を食らい、一日の衣を着、一日の家に住む。それであるから、一日の学問、一日の事業を励んで、天地万物への御恩を報じなければならない。この儀が納得できたら、是非本を貸してもらいたい」
この言葉に感心して、牢番は松陰に本を貸した。
(一部略)
松陰は牢の中で金子重輔に向かってこう言った。
「金子君、今日このときの読書こそ、本当の学問であるぞ」
牢に入って刑に処せられる前になっても、松陰は自己修養、勉強を止めなかった。
(『人生を創る言葉』致知出版社)
“本当の学問”とはほど遠い日々を送っている自分に猛省です。今日という一日があることに感謝を忘れず、一日の学問、一日の事業にきちんと励む、一日の終わりに今日はちゃんと励めたな!と思いながら眠り(-_-)zzzにつける日を少しでも増やせるように(毎日はちょっと無理かな)と思います。
奥松
吉田松陰(1830年~1859年)
明治維新の精神的指導者・理論者・倒幕論者として知られる。私塾『松下村塾』を開く。
☆令和☆
令和最初の教室通信ですね。
皆さんは、令和に変わる瞬間どのように過ごされましたか? 私は、テレビを見ながらカウントダウンをし、令和になった瞬間、家族や知り合いにLINEで「令和スタンプ」を送りました。
テレビでも令和にまつわる企画が各局で放送されていましたが、先日あるバラエティ番組でとても面白い企画をやっていました。それは、令和になる瞬間ではなくて、令和という新元号が発表される時に、芸人さんが部屋に隔離されメディアなどの情報をシャットダウンされた中で、新元号を当てるという企画でした。スマホで検索することもできないので、とにかく思いつく漢字を並べて答えるのですが、全く当たりません。しかし、いろいろな課題をクリアして、ヒントやヒントにつながるアイテムを手に入れ、ついに最上級のヒントアイテムのランプを手に入れます。そのランプは「総画数が合う」と小さく点り、「頭文字がR」になると中位に点り、「漢字が合う」と大きく点るというものでした。ランプが点る法則がわからない芸人さんは、答えを書いてはランプの点り方をメモして、最後画数の法則を見つけ「令和」を当てることができました。
スマホで検索すれば、数秒でわかるこの問題を100時間近くかけて導き出したのですが、やっている側も見ている側も何とも言えない感動に包まれました。
新しい時代はどんどん便利になり、情報でも物でもすぐに手に入るようになりましたが、時間をかけてじっくり考えたり、多少の不便さもやっぱりいいなあと思う昭和生まれの私でした。
インストラクター 宇賀神薫美
“かぶと・その1” “かぶと・その2” “鯉のぼり” “庭付きの家” “ピンボール”
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