2018年11月号

『虚空に描くだけでは

秋も深まってまいりました。受験学年の人にとってはいよいよ正念場。憧れの○○学校に入学するために、ということで必死に勉強に取り組んでいることと思います。「合格をイメージして!」とか「来春、制服に腕を通す姿を想像して!」なんて言う言葉は勉強のモチベーションを上げる方法としてよく言われることですね。ですが、いくらその学校に通う姿を想像してもそれだけでは合格は近寄ってきません。私が受験生だったときあんなことしていたなぁと覚えているのが、さてやるかと勉強を始めたもののしばらくすると飽きてきて机の上にある志望校の入学パンフレットを開き“学食の料理うまそうだぁ”なんてことしていると気づけば数十分、なんとなく勉強した気になって“あぁ疲れたちょっと一休み”ってことで冷蔵庫に向かいジュースを一口。この数十分間の行動は一切合格に結びついていません。

 

例えば野球好きな少年。甲子園で活躍しドラフトでプロ野球の世界へと、そして将来は大谷翔平選手のごとくメジャーリーグに!ということで毎日“You Tube”で大谷選手の姿を眺めている、だけでは野球は上手になりませんね。早く外に出てキャッチボールをするか素振りをするかバッティングセンターにでも行ってこい!と野球経験のあるお父さんであれば声をかけることでしょう。

 

どちらの例も、なりたいもの!を虚空に思い描いても、それだけでは近づいてはこないということです。受験生であれば、入学パンフレットを開くよりも教科書を!問題集を!開かなければなりません。You Tubeで大谷選手の姿を見るのではなく、自分の投球(バッティング)フォームをスマフォで撮影しその姿を動画で見るほうがメジャーリーグは近づいてくることでしょう。

 

決して夢を描くな!と言っているわけではありません。何かをするモチベーションの先にはなりたい姿があるのが自然で、それなしに行動を続けるのは難しいことです。ですが、夢を現実に近づけるために必要なことは小さな目の前の一歩を地道に続けていくことでしかありません。

 

  夢を掴むことというのは一気には出来ません。

 

小さなことを積み重ねることで

 

いつの日か信じられないような力を出せるようになっていきます。

                          (イチロー)

 

 勉強の秋!食欲の秋!ちょっとひんやりし始めるこの季節。人間が最も活動しやすい季節のような気がします。皆さんそれぞれの夢や目標に向かって、目の前の一歩を踏み出しましょう!!

                                             奥松


  ☆思い出のレッスン☆

 先月の中旬ごろ、年中の子がお気に入りの長いブロックをたくさん集めていた時のことでした。

 ちょうどその時、隣のテーブルで製作をしていた他の子も同じブロックを探している声が聞こえてきたので「○○君も探しているみたいだから半分貸してあげる?」と聞いてみることにしたのです。私としては「ダメ」という返事がかえってくるものだと覚悟の上でのことだったのですが、その日に限っては相談の余地があるような態度を見せていたので「貸してあげたら喜ぶと思うなぁ」と付け加えてみました。すると彼の表情が少しずつ変わっていくのを感じることができたのです。おそらくそのときの彼は「せっかく集めたから自分だけで使いたい」という思いと「困っているから貸してあげたい」という2通りの感情の間で葛藤していたのでしょう。それでも、しばらく黙って考え込んだあとでブロックをその子に渡してあげることができたのです!今回は『はんぶんこ』とまではいきませんでしたが、今までとは違う大きな一歩を踏み出すことが出来たのだと思って嬉しくなりました。

 

 ところがその時、苦渋の決断をした彼が思わず涙ぐんでしまったようにも見えたので焦りましたが、すかさず目を擦った彼は「眠くなっちゃった」と急にふざけて寝たふりを始めたのです。それは自分の気持ちを悟られないように誤魔化しているようにも見える意外な行動でした。寝たふりを続ける彼としばらくふざけあっているといつもの表情に戻ってくれたので安心しましたが、それはそんな複雑な感情が働くようになってきた彼の一面に驚かされた瞬間でした。

 

 その日の出来事は、私のインストラクター生活の中でトップ10に入るぐらい印象的で嬉しい瞬間となったので、忘れられない思い出となりました(*^ω^)

 

                                インストラクター 清水倫子 


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