2023年2月号

☆グループ教室 学習塾“稲進会”の内容も含まれます。

『得意なことって

前回は、“仕事を選ぶ際には、好きなことを基準にしない”という言葉をご紹介しました。

では、仕事を選ぶ基準は何にすればよいのでしょう?

昨年末に触れた書籍の中では“得意なことを基準にするとよい”と書かれていました。こう聞くと得意なことと好きなことって違うの?となるかもしれません。もちろん共通する場合もありますが、そうでないケースもたくさんあるんです。例えば、掃除が好きなわけではないけれども、いつも部屋やカバンの中はきっちり整理整頓されている、この人はきちっとするのが得意な人。特別話すのが好きなわけではないけれども、話す言葉に説得力があり多くの人を惹きつけることが出来る、こうした人は弁が立つ人と言った感じで。

学校生活の中には、自分の得意が見つかるシチュエーションがたくさんあります。まず算数、数学、英語、理科、社会、国語と言った教科の学習。どれも好きってわけではないけれども、計算がわりと速かったり、たまに難しい問題をクラスの中で自分だけ解けちゃったりといったようなこと、暗記だけは他の人よりたいてい速かったとか、なぜか作文コンクールで賞をとれちゃったとか、こうしたことから自分は○○が得意なのかもと思えるかもしれません。その先、算数や数学が得意なら数字に関係する仕事、例えば経理関係とか、暗記が得意なら資格が必要な仕事を探すとか、作文が得意なら出版関係とかってことに。学校の勉強も、受験や成績ばかりに意識を向けずに、今広げている教科書の中に自分の得意なことのヒントがもしかしたら見つかるかも?そんな気持ちでとらえてみてもいいのではと。

また、勉強に限らず、学校生活の他の場面でも自分の得意が見つかることって結構あるようです。たとえば、新入生が入ってくる春先に上級生が下級生の面倒をみるような機会、なぜか下級生から信頼される人っていますよね。逆に、部活とかで上級生からなぜか好かれちゃう人もいたりします。自分より年齢が低い子の扱いが上手い人は、小さい子供を相手にする仕事に、上級生から好かれるような人は、大きな組織の中で人間関係をうまくやっていける素質があるのかもしれません。他にも掃除をきちんとするとか文化祭や体育祭の準備に率先して携わるとか、給食の盛り付けを丁寧にするとか、修学旅行の下調べを入念にするとか、困っている友達に手を差し伸べるとか、そうした中で、これってちょっと自分に合っているんじゃないと思えることが見つかる可能性があって、見つかればそれがその人にとっての得意なことになるのかもと言うことです。

なんにせよ、大人も含め、自分の得意なことって意外なところから見つかるケースがあることを頭の中に入れておくべきで、そのためにも何ごとも“まずやってみる”そうした姿勢が欠かせないですね。(奥松)


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