2023年1月号

☆グループ教室 学習塾“稲進会”の内容も含まれます。

『2023年よろしくお願いいたします

新年最初の話題は、“なぜ勉強するのか?”について触れてみようと思います。

受験生を持つ保護者の方であれば、“受験のため”となるかと。では、まだ保育園、幼稚園のお子さんから同じ質問をされたらどのように答えますか?“この先、お兄さん、お姉さんになったときに受験っていうのがあって、その時に困らないようにするため”とか“受験で名前のある学校に入れれば、その先仕事を探すときにも有利になるから”とかそんな感じでしょうか。もしも自分より年上の人から、勉強する意味を聞かれたとしたらどうでしょう、例えば、80歳、90歳の人から、なぜ人は勉強した方が良いのか?と聞かれたらみなさんはどのように答えますか。もう受験も就職も関係ないとしたら。私自身、(本当に)気がつけばそれなりの期間、教育業界に携わらせていただいています。その中で、勉強を教える目標はやはり目先の受験のためとなっているのが現実です。その中で少しでも、受験以外の意味も伝えられたらなぁ、と思ってきました。時折、受験以外の観点から勉強する意味を話すこともあります。実はそういった話によく耳を傾けてくれるのは、その時点で受験勉強を一生懸命にしている生徒だったりします。逆に、勉強に対してエンジンがかかっていない生徒に受験以外のことを話しても……、ということがほとんど。ですので、私の現在の力量では、勉強に興味のない人間に対し、受験のため!以外で効果的な返答は出来ておりません。それこそ80歳や90歳の人に聞かれたら、どうしましょう……。

 

  年末に読んでいた本の中で、なるほどと思えた一節がありました。

 “仕事を選ぶ際に好きなことを基準にしない”です。

 一般的には、好きなことを仕事にした方が、仕事そのものを楽しめてそれで生活できるのが一番だと言われています。確かにそうだと思うんです。ただ、好きなことを突き詰め仕事とする、つまりプロとして成立させるのは、非常に難しいことであるのが現実です。1月になり、今年プロ野球の世界に入った新人選手たちのトレーニングする姿が見られるようになりました。はたして、同じ世代で同じようにプロ野球選手を目指し、現在プロの世界でトレーニングに入れた人の割合は……、宝くじで当選することに近いかもしれません。プロとして世間に認知されつつあるeスポーツの世界も熾烈を極めているようです。結果を残すためには、大きな企業のバックアップを勝ち取り、プロ野球と同じように朝から晩までトレーニングに明け暮れなければなりません。『俺の家の話』(2021TBS)というドラマの中で、主人公(長瀬智也)がプロレスをやめる決断をしたときに、長州力(ドラマの中でも長州力役)とこんなやりとりをするシーンがあります。

「(長州)お前プロレス好きか?(長瀬)大好きです。(長州)だったらお前は幸せだ。これからは大好きなものを仕事にしなくていいもんな」好きなものは、仕事ではなく、趣味という形がいいのかもしれません。 

 

 では、何を基準に仕事を選ぶべきなのか?その答えのヒントが、学生時代の勉強にあると本を読んでいて思ったんです。学歴とは少し違って点から、勉強がどのように仕事につながるか、次回ご紹介いたします。(奥松)


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