2022年7月号

☆グループ教室 学習塾“稲進会”の内容も含まれます。

『勝利至上主義どうする??②

 “多様化が叫ばれる中で、勝利至上主義(結果至上主義)とどのようにむきあっていけばよいか?”

ということで先月からの続きになります。

 

最近youtubeのある動画にはまっています(※保護者の方とお話するたびに、「うちの子、家ではyoutubeばかり見ていて…」といったご相談を受けることが多々ある中で、youtubeの話しですみません)。ちょっとぽっちゃりの男の子が、運動会でダンスをしている動画なんですが、このダンスが素晴らしい!リズムは合っているんです、でも動作が他の子とはちょっと違っていて、このちょっとの違いがなんともユニークで独創的でしかもダンスとしての完成度も高い(ように素人目ながら思える)んです。中毒性あり!(何回も見たくなる)。動画のコメント欄には、踊っている本人(だいぶ大きくなっているようです)のものもあって、夢は動画で人に喜んでもらうことだそうです。

 

見ている分には、本当に微笑ましくプロのダンサーもしくはコメディアンとしての才能まで感じるのですが、運営する学校、先生そして一緒に踊っている同級生が彼のダンスをどのように受け止めていたのか?周囲の許容により成立しているはずですが、それはギリギリのラインであったように思えます。

 

日本体育大学の“エッサッサ”をご存じでしょうか。日本体育大学独自の応援スタイルで、東京農業大学の“大根踊り”のようなものです。高校時代、体育教師が日本体育大学卒だったこともあり、この“エッサッサ”を体育祭でやらされたんです。上半身裸で行うんですが、「なんなのこれぇ~やりたくねぇ~」と年頃の男子生徒たちは思います。このエッサッサは、当然ひどいものでした。エッサッサは、参加する全員が意思を統一して気合いを入れて動作もセンチ、ミリ単位で合わせて行うとそれは芸術の域に達したものになります(これもyoutubeで見られます)。エッサッサには、個性もユニークも入る余地はありません。

 

個性が際立つから出てくる魅力、個性を隠すから出てくる魅力、どちらも人を魅了する力を持っています。勝利や結果にこだわることで成長できる人間、勝ち負けや結果にこだわらない人間、他人との勝ち負けに執着する人間、自分自身にのみ勝とうとする人間、他人とも自分とも勝負なんてしない人間……、多様化を認める社会とは、どのようなタイプの人間も認めようとする社会のことですよね。こうした社会では、学校や会社などの組織や団体が入り口の段階で考えをより明確にすることが大切になってくる気がします。

 

 “勝利至上主義どうする?③”に続きます。

 今年の夏は猛暑やコロナ“第7波”(またか…)が予測されるなど心配は尽きないですが、2022年の夏は一度きり!お読みいただいている皆様素敵な夏をお過ごしください。 (奥松)



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