2022年10月号

☆グループ教室 学習塾“稲進会”の内容も含まれます。

『迷わず行けよ!

この道を行けばどうなるものか 

危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 
踏み出せばその一足が道となり その一足が道となる 

迷わず行けよ 行けばわかるさ                           

この詩、どこかで耳にされたことがある方も多いのではないでしょうか。先日他界されたアントニオ猪木氏が、自身の引退試合で残した詩です。この詩には引用元があります。プロレスファンの方であれば「あ~あれでしょ」となるかと。この詩は一休宗純の……、ではないんです。清水哲夫さんの詩というのが本当のところだそうです。私自身知りませんでした。「この道を行けば…、猪木のあの詩いいよねぇ、あれは一休宗純の詩なんでしょ」なんて会話をこれまで普通にしていた自分が少し恥ずかしい。でもしょうがないんです。引退試合で詩を披露した猪木氏が、自身で一休宗純の詩から引用したというコメントを残しているんですから(猪木氏らしく人を惑わすためにわざと誤った情報を流したのかもしれません)。

 

清水哲夫さんが書かれたこの詩、今の時代だからこそ必要なことが書かれていると思うんです。 

コロナ、ウクライナ紛争、24年振りの円安…、予想もしていないことが次々と起こる世の中です。約390年続いた平安時代、約270年続いた江戸時代、こうした時代であれば、人生の歩んでいく先はある程度予想もできたことでしょう。どの時代も生きて行くことの大変さは変わらないのかもしれませんが。何にせよ、現代はこの先何が起こるかわからない時代であることは確かです。だからこそ、先の見えない道に足を一歩踏み出してみる、そうしたことが大事になってくると思います。もし踏み出した先が、予想と全く違っていたり、自分には合わないと思えば引き返し、別の道を探せばいいんだと思います。この先、多様性を認めようという社会を作ろうという動きになっているわけですから、人それぞれの生き方もこれまでより柔軟に受け止めてくれる世の中になっていくことでしょう。最短ルートで人生を歩んでいくのも良く、行ったり来たりしながら進んでいくも良い、何が待っているのかはっきりしない道でもとにかく一歩踏み出してみる、これから先こんな感覚をより大切にしていきたいなと思います。

「元気があればなんでもできる」

ここ数年、リング上にあった姿とはかけ離れた猪木氏の姿を目にすることがありました。“元気があればなんでもできる”猪木氏の名セリフであるこの言葉が意味することは、身体が元気であればというよりも“心が元気であれば(なんでもできる)”ということを伝えたかったのではないかと勝手に思っています。

ご冥福をお祈りいたします。 (奥松)


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