2021年9月号

☆グループ教室 学習塾“稲進会”の内容も含まれます。

『オリジナリティを生み出すために必要なもの

 世の中に必要とされるのは型にはまった人間ではなく、自由な発想をもつオリジナリティあふれる人材。最近よく言われることです。誰も思いつかないようなアイデアや発想ってどうやって生まれてくるのでしょう。

「天からアイデアが降ってきた」とか「もう一人の自分がささやいた」なんてことはあるはずは……、まぁないですね。これまでの知識や経験をもとに様々な取り組みを続ける中、何かをきっかけにして現実のものとなったがほとんどでしょう。

 

 今年の夏、甲子園を制したのは智弁和歌山高校。話題になったのは和歌山県大会の決勝、対市立和歌山高校戦でのプレー。(まぁまぁそこその)野球観戦歴のある自分でもそのプレーを見て驚きました。YouTubeで“智弁和歌山 トリックプレー”と検索すれば実際の様子が見られます。このプレーは昨年の冬、智弁和歌山高校で指導にあたったあの!イチロー選手から伝授されたものだそうです。たしかにこれまで常識とされていた走塁の考えを覆すものでした。では、このことをイチロー選手が単に思いついただけなのか?そんなはずはなくて、日本だけでなく世界レベルでも屈指の名選手イチローが、試合のあらゆる場面を想定し経験してきた中で生まれたプレーであるはずです。また実際、試合の中でプレーした智弁和歌山高校の選手たちもスゴイ。普段から何度となく練習しチームとして考えを統一していなければ実戦で使うことはできなかったでしょう。

リンゴが木から落ちるところ見て『万有引力の法則』を発見したと言われているニュートン、アルキメデスはお風呂に入っていて湯船から水がこぼれ落ちる様子から『アルキメデスの原理(物が液体や気体の中にあるとき、その物が押しのけた液体や気体の重さだけ軽くなる)』を考え出したそうです。二人とも目の前の出来事をきっかけにして発見につながる発想が生まれただけで、それまでにあらゆる可能性を探り調べ続けていたことでしょう。

オリジナリティを生み出すためには、そのことに関する事前の多くのインプット(知識を自分の中に取り入れる)が欠かせません。

 

“学問なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。けれども、全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底に一つかみの砂金が残っているものだ”(太宰治『正義と微笑』)

 

勉強は受験のため、多くの子供たちはそうとらえていることでしょう。確かに、年齢そして学年が上がるにつれてそう思わざるを得ない現実に直面していくことになります。ですが、興味があることを深く突き詰めていく、そして自分なりの考えを生み出す、勉強することの楽しさはそうした中にあると思うのです。多くの子供は(大人も)突き詰めたいと思うものなんてないと言います。趣味でもなんでも突き詰めたいと思うことをもっていることはとても幸せなことですね。これっ!というものが無い人、とりあえず目の前の勉強というものに向き合っていく、きっと“砂金”に出会えるはずです。

                                         (奥松)                            


☆新しいことを知る喜び

今年の夏は雨が続いた影響で気温が低い時期もありましたが、晴れた日にはむせ返るような暑さとなり地球が温暖化していることを実感したという方も多かったと思います。私自身も早朝の散歩で日の出と同時に強い日差しが照りつけ気温の上昇が始まる様子から以前よりも確実に暑くなっているということを感じ、地球が壊れてしまうのでは!?という危機感を覚えたぐらいです。そこで毎日少しずつ起きる時間を早めていくことになったのですが、そのおかげで蝉が羽化する瞬間に出会うことができました。これまでは蝉の幼虫が土の中から出てきたであろう庭の穴や抜け殻を見つけることがあったぐらいで、そのような決定的瞬間に行き会った経験はなかったため一気に目が覚めて大興奮!!透き通ったような薄緑色をした羽化したばかりの蝉は、しっかりとした姿になるまでジッと抜け殻につかまっていましたが、目を放している間に飛び立ってしまいました。

 

また体長が3センチにも満たない小さな蝉を発見したこともありました。最初に見た時は「蝉の赤ちゃん?」とそのままスルーしてしまいそうになったのですが「蝉は羽化した時から大きさはいつも通りだったはず」と考えを改めてとりあえず写真を一枚。帰宅してからネットで調べたり昆虫に詳しい教室の先生に見てもらったりしたところ、それは「ニイニイゼミ」という小さい種類の蝉であるということが分かりました!蝉の種類といえば「ミンミンゼミ・アブラゼミ・ツクツクボウシ」というような代表的なものしか知らなかったので、そんな小さい蝉がいるということが驚きで珍しい出会いができたことを嬉しく思いました。「早起きは三文の徳」とはきっとこのようなことをいうのでしょう。

 

新しいことを知るというのはいくつになってもワクワクしますね。これからもいろいろなことに興味を持って、新しい発見と挑戦をしながら過ごしていきたいなぁと思っています。  (インストラクター 清水倫子)


<今月の作品紹介> 

“働くクルマ”“ピタゴラ”“動く船”“海賊船”

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