2021年8月号

☆グループ教室 学習塾“稲進会”の内容も含まれます。

『過程が大事な世の中になる

 夏期集中学習前半のとある日、中学生3年生の授業で全体に向け話しをしました。最近はあまり全体に向け話しをすることはなく個々の様子にあわせてといった感じが多いのですが、久しぶりに。

 

「自分がみんなと同じ中学3年生の頃、同じように高校進学に向けての受験勉強をしていた。当時は、いい(偏差値の高い)高校、いい大学を卒業すれば大きな企業に入社でき一生安泰の人生を送ることが出来る、そんな考えがまだ普通だと思われていた。高校は出来るだけ大学合格実績の高いところに行くこと、それが高校選択の基準であると多くの中学生が思っていたし、指導する側もそれを前提に指導をしていた。でも時代は変わっていると思う。

今ここにいる全員マスクしているよね、去年の正月にこんな世の中になることを想像できなかったでしょ。このコロナの影響で、飲食店を中心にお店が閉店になってしまったというニュースが流れている。お店を持つって大変なことで、何年も準備に時間をかけたり資金を用意するために銀行からお金を借りたりそれこそ生涯の夢や目標とするぐらいの覚悟で行うことなんだけど、それが突然閉じなければならなくなる。誰かのせいにしようにもなかなか難しい、まぁコロナのせいなんだけど……。

もう一つ世の中が変わっていくだろうと思えた出来事があって、それは2011年の東日本大震災。当時、地震の瞬間ちょうどこの教室にいて体験したことのないほどの揺れを感じ、おさまったと思うと東北地方への津波、そして原発事故のニュース。東北に住むたくさんの人の人生をかけたものが一瞬のうちに流され、放射能の影響で手放さなければならなくなった。

この2つの事は地道に作ってきたものが簡単に崩れ落ちていくことを教えてくれた気がする。この先、突然人生の方向を変えざるをえないことに出会うことも増えてくると思う。その時に必要なのは、立ち上がり歩き出す力強さ。その力強さは、目標とするものに向け“自分なりに頑張る”ことで身につくものだと思う。この“自分なり”が大切で偏差値とかそうした誰かが決めたもので評価されるのではなく、自分は頑張っている!そう思えることの積み重ねで身につくんじゃないかな。高校受験も合格不合格よりもどれだけ受験当日までに頑張ったと思える日々を過ごせたか、そこに意味があると思う。今は夏期集中学習、毎日勉強している中で“自分は頑張っている!”と思えている?思えていればOK、“まだまだかなぁ”の人は自分で自身に頑張っている!と堂々と言える、そうした時間にしよう」と言ったものです。

 

目標としていたものを達成できなかった、突然その機会が奪われた。誰しもがそんな機会と向き合うことになるかもしれません。落ち込んだり、絶望したり……、頑張っていた人ほどマイナスの振れ幅は大きくなることでしょう。でも、自分の中で頑張った過程にちゃんと意味があると思えたならば立ち直りまた歩き出すこともできるはずです。

子供たちが何かやろうと!目標を立て取り組み、結果と向き合うとき、良くも悪くも本人だけが結果と向き合えばいいのです。周囲の大人や指導者は、結果が出るまでの過程の中にすでに多くの意味があることを伝えてあげる、それだけで十分なんだと思います。      (奥松)                                     


☆東京オリンピック

 感動の東京オリンピック2020が閉幕しました。今回のオリンピックは、自国開催に加え、新しい競技、復活した競技、○年ぶりのメダルといった話題満載のオリンピックでした。私もいろいろな競技にくぎ付けになったのですが、とくに感動したのが馬術でした。馬場馬術のあの繊細な馬の扱いや障害馬術でのあの高さの障害を飛び越える技術、そして総合馬術のクロスカントリーでのあのスピード。多少乗馬経験があるので、そのすごさがよく分かりました。

 馬術はオリンピック競技の中で、唯一人以外が参加する競技です。それゆえ人の能力だけではなく、馬の能力、人との相性、絆などが必要となります。そして人馬一体となった時、すばらしい演技や結果になるんだろうと思います。今回のオリンピックでもそういった場面を見ることができて、とても感動しました。

 パラリンピックでも馬術があるので、楽しみにしています。もちろん他の競技も!

 みなさんもまたパラリンピックで盛り上がりましょう!!

                              (インストラクター 宇賀神薫美)


<今月の作品紹介> 

“プロペラ機”“ヨーヨー釣り”“ピタゴラ”

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