2021年3月号

☆グループ教室 学習塾“稲進会”の内容も含まれます。

『具体的な目標も大事だけれど

 これまで受験生を見てきて、志望する学校への合格を手にすることが出来た生徒に共通することは、具体的な目標を明確に持っていたことがあげられます。志望校は、〇〇高校!そこから現在の立ち位置を逆算して、今回の模擬試験ではこのくらいの偏差値をとるとか、内申点をあげるために次の定期試験では数学と社会で90点をとって評定を“5”にするなど、とにかく出来るだけ細かく数値化した目標を設定することが、受験という世界で成功を手に入れるための有効な手段であることは間違いないことです。

 

ですが、長い人生という視点で見ると具体的な目標を持ち続けることは結構つらいことのような気がします。本来楽しく充実した時間になるはずであったことが、そうではなくなってしまうことも多々ある気がします。  

 

2年前まで、マラソンにはまっていました。きっかけはダイエット、ふくらみつつあるお腹をなんとかひっこめようとの思いで始めました(今ではリバウンドなのかすっかりもとに(それ以上に”(-“”-)”)戻ってしまっていますが)。走り始めるとそれまで気づくことのなかった素晴らしさや楽しさに出会うことが出来ました。練習によく行った手賀沼周辺はマラソンランナーにとって聖地と呼ばれているくらいの走りやすさと四季の風景を楽しめる場でした。練習量に比例して、当初想像できなかった距離も走れるようになりそんな自分の成長する感覚が嬉しく楽しくて、時間を見つけてはウキウキしながらランニングシューズに足を入れていました。さらに練習の成果を試そうと各地のマラソン大会にも出場するようになると記録が気になり始めます。目標とするタイムを出すためには1キロごとのペース配分を意識しなければなりません。するとそれまで景色を楽しんでいたはずが、気になるのは腕時計の数値ばかりに。さらに目指す記録が高くなれば更新するハードルも上がります。ウキウキ気分であった練習もつらい苦行に変わっていきました。そうしたことがマラソンをやめてしまった原因のすべてではないのですが、走り始めたころの気持ちにもどって、記録や順位だけでないマラソンの魅力を思い出すことが出来ていれば今も走り続けていたのかもなんて思ったりもします。

 

受験に向けての勉強をする中では、偏差値や順位から目を背けることは難しく自分では頑張っているつもりでも結果に反映されないと言ったことに頑張っている人ほど数多く向き合うことになるものです。受験勉強を進めていく中でちょっと息苦しさやつらさを感じたとき、勉強するという行為の根本に立ち戻ってみてはいかがでしょう。勉強という言葉の定義は人それぞれ異なるのかもしれませんが、私が思う勉強とは新たな知識や技術を身につけるために必要な行動であって、「へえ~そうだったんだ」とか「こうすればできるんだ」とか「こんなこと思いつく人がいたんだ」というような感情が起こるものであり、偏差値や順位で評価されるようなものではないと思います。知らなかった英単語の意味がわかった、解けなかった数学の問題の解き方がわかった、そうしたことを純粋に喜ぶそんな感覚を大事にすればいいんだと思います。

 

とは言っても受験は受験!でシビアな世界であるのは現実です。受験生を前にあれもこれもやらせなきゃとイライラあせり状態になっている自分が毎年いるような気がします。私自身が狭い感覚に陥ることなく受験生に冷静に勉強の意義や意味を伝えられる、そんな気持ちを忘れないようにと新年度をむかえるこの時期に自分に言い聞かせております。

                                             (奥松)


☆背景の難しさ

 最近、生徒の間でエヴァンゲリオンの話題があがることが多くなりました。テレビで新劇場版が放映されたからでしょうか。そこで、クリエーター視点からのアニメの楽しみ方を一つご紹介いたします。ネタバレは無いのでご安心ください。まず、アニメで一番目立つ(自分の興味が向く)モノは何でしょうか?人によって多少違うと思いますが、大抵の人は主人公などのキャラクター、もしくは主人公が乗るロボットをあげると思います。しかし、映し出されるアニメ画面の7〜8割を占めるのは背景です。背景こそがそのアニメの世界観を作っていると言って過言ではありません。海外では、ジャパニメーションの背景は芸術的で美しいと評価されている程です。好きなアニメがあったら、ぜひ、普通の人は注意が向かない背景もチェックしてみてください。ちなみに、私がエヴァの背景で好きなのは、街並み、特に電柱です。エアコンの室外機とかも捨てがたいですね!ハイ、話は現実世界に戻りますが、レッスン中にレゴで「このキャラクター作って!」とか、言われたりしまが、キャラクターをレゴで作るのって結構簡単なのです。でも、「背景を作って!」と言われたら(今まで言われたことはありませんが)、ちょっと自信がありません……。レゴでジオラマみたいな現実世界の街を完コピするって容易にはいかないと思うのです。今後、そのようなリクエストが無いことをただ祈ります……。と言ったら、クリエーターらしからぬ発言になってしまうので、いつか挑戦してみたいですね。まずは、手始めに、背景の研究、実際の身の回りの街の観察から始めましょうか。何か発見や閃きがあるかもしれません。

 

レゴだけに留まらず、何かを創るのは難しいことです。アニメの背景も血の滲むような努力の賜物と聞きます。ですので、私の挑戦が失敗しても、大目に見てね!それでは、また来週もサービスサービスゥ!(ミサトさんっぽく)

                                (インストラクター 伊勢豊)


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