2020年9月号

『“~レス”の時代に問われる力とは?

 『対面レス・通勤レス・出張レス・印鑑レス・ペーパーレス・タッチレス・キャッシュレス、…』いろんなレスが進んでいます。2020年は、これまで冷静に考えれば無くてもよいものの存在が明らかになってきている年とも言えます。

 

 中学生の頃、東京都の西部(=田舎)から都心に向かう電車で通学していました。都心に近づくにつれ電車は混んできます。慣れてくると比較的すいている車両や途中駅発の電車に乗り換えるといった小技を覚えていったのですが、新入生当初は、自分より背の高い新聞を片手にしたおじさん達の圧力に耐えながら目的の駅まで必死に耐えていました。もともと狭いところや人が密集しているところが苦手なんです(=閉所恐怖症?)。そうした空間にいると頭の中には悪い想像があふれてきます。今でも混雑した電車に乗ると「脱線してこのまま何時間も停車とかになったら……。トイレ大丈夫か??」とか、エレベーターに乗っているときは、「故障して途中で止まったら……。緊急事態のボタンを押しても管理会社の担当者がいなくて連絡がつかず、翌朝までこの中で過ごすことになるのかも」といった妄想が次々と。

 

 通勤も通学も、少しの変化であの地獄のような事態は解消される、コロナ感染の拡大はおそらくそうした問題を解決するきっかけにもなるのでしょう。だからと言って全部オンラインで、対面なんて意味がないと思っているわけではありません。対面してこそ、対面でなければ、と思うこともたくさんあります。まなびの広場も稲進会も対面での指導にはこだわり続けたいと思っています。このことに関しては別の機会に。

 

 話しを戻して、今後さらに増えていくであろう『リモートワーク』や『リモート学習』、欠かせないことがあります。それは『自立(律)』です。学校ではふざけていれば先生に怒られるとかダラダラしたいけど周りのみんなは頑張っているから自分もきちんとしないととか、会社であれば上司の目があるからさぼりたくてもさぼれないや就業時間はすぎているけど周りはまだ仕事しているからしょうがなく残業していくか、なんてこともあるでしょう。

 

リモートでは周りには上司も先生もいません。自分の意志でやるべきことをやるという自己管理能力が問われます。そして管理されない分成果を問われる(=成果主義)度合いは増していくことでしょう。

 社会人一年目の時にある先輩上司に教わった言葉を思い出します。

「優秀な人間と言うのは、自分で自分の心に火を灯せる人を言う」

 その言葉を聞いた時、それまでの人生でたくさんの人から心に火を灯してもらっていたことに気づきました。親、兄弟、先生、友人、彼女……。やる気をなくしたり、落ち込んでいたり、そんな時に助けとなるたくさんの言葉を周囲の人からもらっていたんです。

 リモートで、自分のペースで勉強や仕事が出来るようになる!言葉は心地の良いものですが、もしかしたらとても厳しい環境に置かれることになるのかもしれません。

・自立…自分の力で立つ 

・自律…自分を律する

この2つの言葉につながる力を、レゴでの製作を通して、学習を通して、少しでも生徒の皆さんが育ててくれることを願っています。    奥松


☆変わっていくもの

 とうとう先月末をもって、『としまえん』が94年の歴史に幕を下ろして閉園することになりました。

 

祖母の家に行こうと駅を出るとそこにはとしまえんの入り口が広がっていたので、いつも後ろ髪をひかれる思いでタクシーに乗り込んでいたことを思い出します。小さい頃には両親と一緒に遊びに行っていましたし、大きくなってからも私にとって遊園地といえばいつもとしまえんでした。夏場は週末になると花火が打ち上げられていたので、祖母に浴衣を着せてもらって近所の子どもたちと公園に集まることが毎年の行事のようになっていたことも忘れられない思い出です。

 

 

 

テレビで閉園間近の園内の様子を見ていたら、その時々の思い出がよみがえってきて何とも言えない切ない気持ちになってしまいました。最終日には涙ながらにインタビューに答えている来園者の姿が映し出され、普段はあまり泣くことがない私も思わず涙ぐんでしまったぐらいです。

 

 

今年の夏は想定外の暑さに加えマスクを着用しなければならないという厳しい状況でしたが、閉園を惜しんで足を運ぶ人があんなにいたということがまず驚きでした。それなら閉園が決まる前にもっと遊びに行けばよかったのに……と思ってしまうほどでしたが、世の中は移り変わっていくもので古いものは淘汰されていく運命なのだというシビアな現実を目の当たりにしたような気がします。

 

 

 

変化といえば、話はだいぶ飛躍しますが時代が昭和から平成・令和へと移り変わっていくなかで身の回りのいろいろなことが変わってきましたよね。大きく変わったもののひとつとして見過ごすことができないのは地球環境だと思います。人々が豊かな暮らしを求めて競い合うように開発を進めてきた結果、ここへきてこのような形となって自分たちに降りかかっているような気がしているのは私だけでしょうか?そんなことを考えながらも命を守るためとクーラーを使い続け、それがまた気温を上昇させる要因になってしまうというのですから困ったものですね。

記録的な暑さが続いていた今年の夏は体への負担も相当大きかったことでしょう。そろそろ夏の疲れが出てくる頃ですので、体調を崩さないように気をつけてお過ごしください。

                                (インストラクター 清水倫子)


☆今月の作品紹介☆

“カキ氷機・トンボ・スーパーボール”

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