2020年2月号
『身体にしみ込むまで繰り返す』
SNSで話題の『100日後に死ぬワニ』。みなさんご存じですか。
(wikipediaより)きくちゆうきさんによる日本の4コマ漫画作品。死まであと100日と明示されたワニの生活を描く。2019年12月12日から作者本人のTwitterアカウントで公開が開始され、以後毎日更新されている。主人公は服を着用し人間の言葉を話すオスのワニである。先輩のワニや親友のネズミと過ごし、第1話から100日後に死を迎えるワニの過ごす日常生活が描かれる。4コマ目の下には死までの日数がカウントされ、1日1話更新されるたびに残り日数が減っていく。きくちゆうきさんは、漫画を通して、「自分の“終わり”と周りの人の“終わり”それを意識することで、行動や生き方がより良い方向へいくのではないか」ということを考えるキッカケになれば、と思っているようです。
この文を書いている時点では60日目まで話が進んでいました。印象に残っているのは以下の2話です。
・22日目:目覚ましが鳴り、起きなければならない時間になった。眠気には勝てず目覚まし時計を止め、再び眠りにつくワニ。
(思ったこと)休日の朝、前夜明日はあれもしようこれもしようと考えていたのに睡魔に勝てず、(-_-)zzzになってしまうことは私自身1度や2度ではありません。100日後に死が迫っていることを知っていたとしたら、同じように睡魔に負けてしまうのか。
・47日目:お気に入りの映画の続編が決まったことを知り喜ぶワニ。でも公開される頃にはすでに100日が過ぎている。
(思ったこと)あと〇〇日後にはお気に入りのアーティストのコンサート、それまで仕事頑張ろう!とか受験生であれば入試が終わったらディズニーランドへ!など生命維持に関係の無い未来の楽しいことを思い描きながら日々を生きていくのも人間の特性なのだと思います。でも楽しみにしているその日が現実になるかどうかは……。
60話を一通り読んで、大きな衝撃を受けたというよりも「人間って、生きるってそういうことだよね」と当たり前のことをしみじみと認識させられたという感じでした。10代なら10代なりの、40代なら40代なりの、70代なら70代なりの、それぞれの年齢で受け止め方も違うでしょうしおそらく読んだ人一人ひとりが違うとらえ方をする漫画のような気がします。大きな発見や目の前の問題解決につながるかと言えば、そうではないかもしれません(そうなる人もいるのかも)。ですが、何か普段忘れているけれど忘れてはいけないことを感じられる漫画ではあると思います。
気になられた方はぜひ。“100後に死ぬワニ 全話”で検索すれば読めます。(奥松)
☆便利さに頼らない☆
「ゲームは1日1時間。1時間たってもやめないなら、電源引っこ抜くからね!」
さて問題です。ゲーム依存症が話題になる今日この頃、こんな(子供目線からして)乱暴な発言をしたのは世の「お母さん」以外で、誰でしょうか?
正解は、任天堂社長(2002~2015年)、岩田聡さんです。自身も生粋のプログラマーであり、HAL研究所社長の時には「星のカービィ」を手掛けた人です。そんなゲーム界の第一人者が、なぜゲームを否定するような考えに至ったのか。それは、任天堂Wiiを開発していた時、ゲームへの悪いイメージを払しょくしようと真剣に考えたからでした。最終的には、Wii側で強制的に電源を切るよりも、プレイ時間を記録・確認できるようにし、親子のやり取りを通じて約束を守る流れにしたほうが、ずっと「魅力的」だという結論に達しました。
また、岩田社長はゲームの研究を通し「習慣の継続」についてこう分析しています。人はある対象に対して、時間、労力、お金等のエネルギーを注ぎ込みます。そして、注ぎ込んだ先からなにかしらの反応が返ってきて、それが自分へのご褒美になる。そういう時に自分が注ぎ込んだ苦労やエネルギーよりも、ご褒美のほうが大きいと感じたら、人はそれをやめない。しかし、返ってきたご褒美に対して見返りが合わないと感じた時に、人は挫折する。
これは、ついついやり過ぎてしまうゲームの条件でもあり、子供が勉強を嫌う法則でもあり、かなりの高確率でやめてしまう大人の英会話学習やダイエット等にも当てはまります。勉強は、確かに知識は増えるが、知識が増えるだけで達成感がない。そうすると、「ご褒美」が感じられないわけです。私も、パソコンでできる英会話学習CDを何度か買ったことがありますが、続いた試しはありません(笑)。子供がゲームばっかりやっている、とよく話題になりますが、逆に言うとゲームを何時間でもやれる子供は、勉強を何時間でもやれる潜在能力を持っているとも言えます。ぜひここは、勉強を頑張ったらゲーム感覚でクリア報酬としてその苦労の2倍3倍くらい褒めてあげることから始めてはいかがでしょうか。
最後に、岩田社長の言葉のかけらをひとつ。“わたしが見つけた「天才の定義」があります。「人が嫌がるかもしれないことや、人が疲れて続けられないようなことを、延々と続けられる人」、それが「天才」だとわたしは思うんです。”(インストラクター 伊勢豊)
“節分に向けてたくさんの鬼が登場しました!”
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